「電子書籍ってどんなメリットとデメリットがあるの?」と気になっているあなたのために、電子書籍のメリットデメリットをまとめました。
自宅のスペースの都合から、紙の書籍で集めるのをやめて、電子書籍に移行する方も増えている一方で、質感が感じられる紙の本が根強いのも事実です。
- 「本はやっぱり紙」
- 「好きな漫画を貸し借りした思い出でもある」
など様々な意見があります。
「電子書籍と紙の本どちらがいいの?」と迷っている方は、本記事を参考にしてみてください。
電子書籍のメリット
1970年頃からの歴史を持つ電子書籍は多くの方から利用されてきました。
今まで紙の本を利用していた方が、電子書籍へと移行したのは、それなりのメリットが存在するからです。
では、どんなメリットがあるのか?
電子書籍のメリットをまとめて説明します。
在庫切れがない
電子書籍には在庫がありません。
紙の本だと店頭に並んでいるものや、最大でも倉庫にある在庫までと、店舗ごとに数に限りがあります。
電子書籍は、運営しているサイトが、データで管理しており、在庫というのが存在しないので、買おうと思ったのに買えなかったというリスクがありません。
どうしても欲しかった本が、売り切れで買えなかった経験をしている方も多くいます。
電子書籍では売り切れという概念がないので、欲しい本をすぐに購入して読めるメリットがあります。
本屋にないものでも購入できる
電子書籍はスペースが無限なので、取り扱っている本の種類が豊富です。
紙の本の場合、欲しかった本がそもそも店頭で売られていなかったという経験がある方は多いでしょう。
電子書籍ストアの中には、種類が豊富で600万冊以上の電子書籍があるストアも存在します。
どうしても読みたい本がなかった場合は、電子書籍を利用するのがおすすめです。
複数の店舗を渡り歩く時間、店舗の中で本を探す時間を短縮できる大きなメリットがあります。
視力に応じて文字のサイズ・フォントを変えられる
電子書籍はあなたに合った文字を選べます。
一方で、紙の本だと「読みにくい」「文字が小さい」など、悩む方は多いです。
電子書籍では文字のサイズやフォントを変える機能がありますが、ストアや端末によってやり方も異なってきます。
たとえば、多くの人が利用されている『Kindle』アプリでのやり方は以下の通りです。
- 書籍を開いている状態で、画面真ん中あたりをタップ
- メニューが表示されたら、画面上の[Aa]をタップ
- この設定メニューでフォントの種類と文字サイズが変更できる
画面はiPhoneとAndroidで少し異なりますが、できることは同じです。操作も簡単で、文字サイズやフォントを変えられます。
画面サイズが大きく迫力が出る
タブレットやリーダーは10インチ(横22.10cm×縦12.45cm)以上の大きさのものも多く、これは一般の少年コミックの横11.2cm×縦17.4cmより大きいです。
読んでいる端末のサイズに依存しますが、単行本より迫力を感じるケースがあります。また、画面サイズを拡大して読めるのも電子書籍ならではです。
書き込んだ文字などを消せる
電子書籍はペンツールなどを使い、書き込んでも消せます。
手書きで必要なペンツールの他に、書いたものを消す際に必要な消しゴムツールがあるためです。
紙の本の場合、本に手書きで書き込むのは不可逆な行為であるため、ためらうこともあるでしょう。
電子書籍では、書き込んだ文字などを消せるので、紙の本と比較してメリットがあるといえます。
好きな誌面を保存できる
電子書籍では好きな誌面を保存できます。
タブレットやスマホには、読んでいる本を画像に変換できる、スクショ機能あるためです。
紙の本・雑誌を読んでいる方は「このページを残したい」と思っても、保存するには誌面部分を破らないといけません。
しかし、それが大事にしたい本や雑誌だった場合は、破ることに抵抗がある人は多いはずです。
電子書籍は破ることなく画面を保存できますし、ハードティスクなどに画像を移すことで、永久に保存することも可能です。
また、紙と違い保存したものが劣化しない点もメリットです。
値段が安く還元や割引があるので経済的
電子書籍は、書店などで本を購入するより安く購入できます。
たとえば、Amazonで紙と電子書籍を比較してみましょう。
人気の『呪術廻戦』を参考にすると、
- 紙…484円
- 電子書籍…460円
で読めます。
このように電子書籍ではベースとなる値段が安いことがあります。それだけではなく、不定期で割引、ポイント還元など紙と比較してキャンペーンが多く経済的です。
本の出費が多いと感じていて、出費を見直したい方は、電子書籍への移行はメリットがあります。
初回の購入の場合、クーポンによる割引があるためお得です。
詳しくは『クーポンや割引がある電子書籍ストア16選』をご覧ください。

本を置くスペースがいらない
電子書籍はスペースをとりません。電子書籍リーダーやタブレットがあれば、それだけで管理ができます。
電子書籍の多くはアプリやサイトを使用して、本を見ることが多いです。
アプリやサイトを運営しているストアが、データとして管理しているため、利用している方は管理しなくても本を読めます。
紙の本を読んでいる方は、引っ越しの際など、本を大量に捨てることって多いですよね。
電子書籍であれば、引っ越しの際の取捨選択が不要で、どこに本を置いたのか探す時間を省けるメリットがあります。
どこでも買える
電子書籍はどんな場所にいても購入できます。
ただし、スマホやタブレットなどの端末を所持しており、通信が繋がっている必要はあります。
たとえば、友人との会話で話題になった漫画が面白そうに感じ、読みたくなった場合でも、書店に行かずにスマホで簡単に購入できるのは、とても便利です。
持ち運びが便利
電子書籍は持ち運びが便利です。
スマホ・タブレット・電子書籍リーダーなどの端末はカバンに入れてもかさばりにくいため、持ち運びが楽です。
紙の本でもカバンに入れることはできますが、電子書籍は何百冊という本でも、端末1台で持ち運びできます。
- 「旅行に行ったら好きな本が読めない」
- 「通勤時間に本を読みたい」
などの悩みも解決できます。
物流による地域格差がない
電子書籍は物流による地域格差はありません。
発売日0時から更新されるので発売日当日から購入できます。
書店で紙の本を購入する場合は、物流により地域によっては発売日より遅れる場合があります。
「発売日を待っていたのに、本が購入できなかった」「楽しみにしていたのに」などと過去に思った方は多いはずです。
電子書籍を利用することで、その悩みを解決できます。
購入前に試し読みができる本が多い
電子書籍では、基本的に購入前に試し読みができます。
試し読みできる内容は漫画で通常約10%ぐらいですが、購入する前にチェックできます。
また、ストアや漫画の種類によっては期間限定で1巻丸々試し読みできるケースもあります。
紙の本は、書店によっては立ち読み可能ですが、立ち読みできる書店は年々減少傾向です。
それ以外にも、書店では複数の本を立ち読みのためには移動する必要がありますが、電子書籍の場合はデバイスを操作するだけで済み、移動による時間のロスがないメリットもあります。
試し読みを沢山したい方は、『試し読み・立ち読みができる電子書籍ストアまとめ』もご覧ください。
キャンペーン・企画がわかりやすい
電子書籍のストアはキャンペーン・企画など、サイトを見るだけで、詳細がわかります。
キャンペーン内容も、期間限定で無料本を出したり、40%OFFなどの割引やオリジナルTシャツプレゼントがあったりなど、とても豊富です。
書店で本を購入する際は、書店でキャンペーンなどプレゼント企画など行っている場合がありますが、その場所まで行かないとわからないことがあります。
書店まで距離がある方や、欲しい本をお得に購入したい方は、電子書籍ストアがおすすめです。
読み上げ機能を使って『聴く』ことも可能
たとえば、iPadには読み上げ機能があります。電子書籍を開いた際に、読み上げ機能を使うと内容を音声で聴けます。
やり方は以下の通りです。
- iPadの設定画面を開く
- 『アクシシビリティ』をタップ
- 『読み上げコンテンツ』を選択
- 『画面を読み上げ』という項目をオンにする
- 『読み上げコントローラー』をオンにする
- 電子書籍を開く
- 指で画面の上から下へスライドすると読み上げが開始する
読み上げを開始すると、再生コントローラーが表示されますので、再生・停止などの操作も可能です。
電子書籍や紙の本を、通勤時間で電車などで読む際に取り出したり、開いたりするのに抵抗がある人はイヤホンを使用して音声で聴くこともできるので、利用してみてください。

電子書籍のデメリット
便利な電子書籍ですが、デメリットもあります。
電子書籍を利用する前に対策してから読書を楽しみましょう。
デメリットをまとめてお伝えします。
初期投資がいる
電子書籍を利用するためには端末が必要です。
現在使っているスマホを利用する場合や、他にすでに持っているタブレット端末があれば、初期投資が不要なケースもあります。
そうでなければ、初期投資が必要です。
タブレットや電子書籍リーダーは、安いもので1万円ぐらいで購入できますが、高いものだと10万円を超えます。
中古品であれば、安く購入できますが、すぐに壊れる可能性もあるので、おすすめできません。
あなたの予算に応じたものを最初に購入にして、慣れたら高いものを購入することをおすすめします。
目が悪くなる
スマホやタブレットなどの液晶画面には、ブルーライトが出ているため、目に悪影響を及ぼします。
長時間使用すると目が疲れたり、視力が低下したりする可能性があります。
一方、紙の本ではブルーライトがないので、目への負担は軽減されます。
「それでも電子書籍を利用したい」という方もいますが、電子書籍リーダーを使用することで、目の負担を抑えられます。
電子書籍リーダーは、E-Ink(電子インク)を使用しているので、紙の本に近い状態で読書ができ、目へのダメージが軽減されます。
詳しくは『目に優しい電子書籍タブレット』をご覧ください。
また、休憩を挟むことやブルーカットメガネを使用するなど、目の疲れを抑える対策は他にもあり、軽減・対策できるデメリットではあります。

起動するのに時間がかかる
電子書籍を読む際には端末を起動しなければいけません。
タブレットや電子書籍を常に電源を入れている場合は、すぐに利用できますが、電源を切っている場合は、立ち上がるのに時間がかかります。
時間的には1分ぐらいで立ち上がりますが、それに耐えられない方は、電源を入れっぱなしにするか、紙の本を読む方が良いです。
集中力を奪いやすい
スマホやタブレットで電子書籍を利用していると、他のアプリやSNSなどの通知が届き、読書に集中できないことがあります。
「読書に集中したい」という方は、読書専用端末である電子書籍リーダーの利用をおすすめします。
端末が落下や水没で壊れると一時的に読めなくなる
タブレット、電子書籍リーダーなどの端末は落としたり、水没させたりすると壊れることがあります。
壊れた場合は、端末を修理または新たに購入するまで、一時的に電子書籍を読めなくなります。
落とした衝撃で、画面が割れたり、水没により基板にダメージが入ったりするのが原因です。
対策として、落下については、保護フィルムや保護カバーを使用して、落とした際の衝撃を抑える方法があります。
防水については、防水加工がされている端末を購入することで回避しやすくなります。
重いので手が疲れる
タブレット・電子書籍リーダーを手で持ちながら長時間使用した場合は手が疲れます。
タブレットの重さは、10インチの場合、470gぐらいです。
一方、紙の本(コミック本)は175グラムぐらいと比較してわかるように、タブレットは重いです。
長時間読みたい方は、机の上にタブレットを置いて使用するか、読み上げ機能を使用して、音声で楽しむのがおすすめです。
売却・貸し借りができない
紙の本は売却や友人への貸し借りなどができますが、電子書籍はできません。
また、紙の書籍はメルカリや古本屋さんで売却できます。
しかし、電子書籍はデータ管理がストアが行っているため、売却はできないのです。
端末ごと貸すのであれば貸し借りができますが、誰も個人情報が入った端末を貸す人はいないでしょう。
電子書籍の中にはPDFで販売しているストアもありますが、『第三者への配布など、他人へのコピー、譲渡、共有』などは禁止しています。
もしもこれらを行った場合は、ストアからのアカウント停止にされる可能性もあるので要注意です。
充電が切れる
外出中など電子書籍を利用すると端末の充電が切れることがあります。
「読んでいる途中だったのに」「あと少し読みたかった」など思われる方は、モバイルバッテリーを準備することをおすすめします。
また、電池の経年劣化に関しては、端末を使い過ぎると、進行が早くなります。
iPadなどの読書以外でも、使用する端末に関しては、バッテリーが減るのが早くなります。
読書を楽しみたい方は、普段使うスマホとは別に、読書専用の端末を準備するのも1つの方法です。
また、デメリットの対策としてモバイルバッテリーを持ち歩くという方法もあります。

ストアがサービス終了すると読めなくなる可能性がる
電子書籍のデータをストアが管理しているので、倒産やサービス終了により、読めなくなる可能性はあります。
「購入したから、ずっと読める」と思って利用を続けていた方には、とても辛い内容です。
大手の会社が経営しているストアを使うことで、リスクを下げることはできますが、100%なくならないという保証はありません。
この点は、対策がなく「心配だ」と思われる方は紙の本をおすすめします。

紙の方が早く発売されるものがある
電子書籍と紙の本を比べた際、紙の本が先に発売されることがあります。
基本的に、紙の本より電子書籍が早売りされるケースはほぼありません。
作者や出版社の意向が関わっており、中には電子書籍の方が1ヶ月遅いという場合もあります。
また、ライトノベルには発売協定というものがあります。
発売協定とは「指定日までは店頭に陳列してはいけない」というルールです。
書店はそのルールに従って店頭に陳列しますが、発売協定を設けてないレーベルもあり、書店は店頭に着いたらすぐに出せます。
しかし、早くても「発売日1日前」と、大きな差はありませんので安心してください。

質感を味わうことができない
電子書籍は紙のような質感を味わえません。
端末の画面で、電子書籍を読むため、紙本来の質感を味わうことができないのです。
本が好きな方には、ページをめくる感覚や、紙の本の香りなど五感で本を楽しみながら読書をされる方も多くいます。
どうしても電子書籍で紙の質感を味わいたい方は、画像をスクショして印刷する方法もありますが、それは本末転倒といえるでしょう。
電子書籍と紙の本を併用する方法も1つ(まとめ)
電子書籍のメリットやデメリットを見ても、やはり紙の本が良いと思われる方は多いはずです。
それは本に対する「愛情」があるからだと思います。
一方で、震災や津波などの自然災害で、大切な本が消失したことがきっかけで、紙派から電子書籍に完全移行したり、持ち運べる分、管理できる冊数を紙として残し、ほぼ電子書籍に移行したりした方もいます。
メリット、デメリットの話となると、どちらがいいかという話になりがちですが、それぞれの良いところを受け入れていくのも1つの方法ではないでしょうか。

