「電子書籍と紙の本ってどっちがいいの?」と白黒つけたいと考える方もいるかもしれません。
この記事では、電子書籍と紙を比較するのではなく、それぞれの良さを使い分ける方法をお伝えしていきます。
電子書籍も紙の本も良い部分もあれば悪い部分もあります。
例えば、電子書籍なら「目が疲れる」と感じたり、紙の本なら「処分どうしよう」など、使っていくうちに、それぞれ問題点が出てくるのではないでしょうか。
双方で良いところだけを使用することだけではなく、嫌な部分をお互いで穴埋めすることで『読書』そのものが、楽しくなってきます。
電子書籍と紙の本の使い分けの利点を知り、今後の読書ライフをより楽しんでいきましょう。
電子書籍と紙の本、それぞれの良さを知る
公益社団法人全国出版協会の『2020年度本の売上』調査では、
- 紙の本・・・1兆2,237億円
- 電子書籍・・・3,931億円
と発表されています。
現在は紙の本を、利用している人が多いですが、電子書籍は前年比で28%上昇と、年々利用者も増えてきている状況です。
紙の本の市場は、2016年の1兆4,709億円と比較すると約2,500億円減っているものの、2019年は、1兆2,360億円と徐々に減少幅は減っており、紙の本も一定の支持があります。
それぞれ、どのような良い点があるのか、以下の通り表にまとめました。
種類 | 良い点 |
電子書籍 |
など |
紙の本 |
など |
電子書籍と紙の本の良さを知ることで、『どの場面で使い分けるのが最適なのか』を発見できます。
一方で、お互いに比較し合うことで、悪い部分も見つかります。
例えば、
- 「紙だったら質感を味わえるのに、電子書籍では味わえない」
- 「紙は保管場所が必要だけど、電子書籍はいらないよ」
などがあります。
もし、お互いの長所を生かすことができれば、双方の問題点を解決できるはずです。
電子書籍のメリットとデメリットを理解することが、効率的な使い分けに向けた、第一歩と言えるでしょう。

電子書籍と紙の本を購入する際の使い分け
ここでは電子書籍と紙の本を購入する際の使い分けを説明していきます。
電子書籍と紙の本を購入する際のポイントは、
- 欲しい本があるか
- 費用面
- 本をどう管理するか
などがあります。
「本にお金を使いすぎた」「電子書籍では販売されていなかった」といった経験はありませんか?
利用目的によって使い分けることで、あなたの悩みを解消できます。
前提として、電子書籍、紙の本でしか販売されないものがある
電子書籍と紙の本の使い分けの前提として、どちらかでしか販売されておらず、そもそも使い分けできないケースもあるため、注意が必要です。
理由は電子書籍でしか書いていない作者、紙の本でしか書かれていない作者が存在するからです。
ジャンルの傾向として、漫画や小説は電子書籍でしか販売されていない本が多くあり、ビジネス書などは紙の本でしか販売されていないことがあります。
例えば、人気のなろう系の小説は、無料投稿サイトで人気が出たものを電子書籍化、その後、電子書籍が売れたら紙の本を発売するといった販売戦略が取られているケースがあります。
大切にしたい本は紙で購入、それ以外は電子書籍で購入する
大切にしたい本は紙で購入、それ以外は電子書籍で購入するのはおすすめの方法の1つです。
今まで好きな漫画を買うときに保存用と読む用で、紙の本を2冊分けて買っていた方もいるのではないでしょうか?
hontoの『紙の本と電子書籍の使い分け』に関する調査では、男性、女性ともに19%の人は大事な本は紙で保管して、普段読む本は電子書籍していると回答しています。
「本を集めるとお金がかかる」と経済的な面をデメリットと感じている方でも、電子書籍を利用すれば費用を落とせます。
電子書籍では◯◯%OFFなどのキャンペーンや、ポイント還元が、紙の本と比較して豊富です。
また、hontoであれば、hontoクラブによって、
- 電子書籍ストア
- 本の通販ストア
- リアル書店
と3つあるストアのうち2つ利用するとポイントが翌月2倍、3つ全て使うと翌月4倍といった特典があり、電子書籍と紙の本を使い分けるメリットを享受可能です。
それ以外にも、『電子書籍読み放題サービス』を利用して、紙の本より安く読めます。
大切な本は紙の本、それ以外は電子書籍で購入することで、費用削減や大切な本への投資が、できるようになりますので、使い分けてみてはいかがでしょうか。
電子書籍と紙の本を使い分けることで、還元率が上がるストアもある。
短編の場合は紙の本、長編の場合は電子書籍がおすすめ
短編の場合は紙の本、長編の場合、電子書籍を利用するのはおすすめの方法の1つです。
好きな本が多すぎて家が本だらけ、という状況は、本が好きなら思い当たる節があるのではないでしょうか。
小説も、漫画も長い作品であれば、100巻を超える作品があり、保管にはスペースが必要です。
これから長編の作品を買う方は、電子書籍ならスペースを必要とせず負担を下げられます。
既に長編の作品を持っていて「スペースを取るし捨てたいけど、読み返すかもしれない」という方は、本を売って現金化し電子書籍にすることで、整理ができ読み返すこともできます。
全てを処分するのではなく、一部を電子書籍にして使い分けることで、スペースの確保がしやすくなり、引っ越し時の負担も減ります。
スペースを取りやすく、引っ越しの際に処分に困る長編作品は電子書籍の方が負担になりにくい。
電子書籍と紙の本を読む際の使い分け
電子書籍と紙の本を読む際も使い分けることがおすすめです。
電子書籍と紙の本の使い分けのポイントは以下の通りです。
- いつ読むのか
- どこで読むのか
ここでは、場所・時間によって電子書籍と紙の本を読むポイントを2つ紹介します。ぜひ活用してみて下さい。
出先は電子書籍、自宅は紙の本を楽しむ
電子書籍と紙の本の使い分けで一番多く使い分けされているのが、外出先と自宅です。
先ほどご紹介した、hontoの『紙の本と電子書籍の使い分け』に関する調査では、男性で36%、女性で42%の方が、出先と自宅で使い分けています。
外出先に何冊も紙の本を持ち出すのは荷物が重たくなり、身体的な負担が増えたり、バッグの中で紙の本が傷ついてしまうのもリスクです。
また、紙の本は持ち出せる冊数にも限度があります。
電子書籍であれば外出先であっても、雑誌、漫画、ビジネス書、実用書など様々なジャンルの本を複数持ち出せますし、端末を触るだけなので、本をカバンから入れ替える必要もありません。
このように、出先と家で、電子書籍と紙の本を使い分ける利点は大きいと言えます。
普段は電子書籍、就寝前は紙の本を読む
本が好きな方は就寝前に、本を読んだ経験はあると思いますが、就寝前に本を読むことは、良い効果をもたらします。
その1つとして、就寝前に読書をすることで、ストレスを解消できるのです。
2009年に行われたサセックス大学の調査では、就寝前に本を読むとストレスレベルが68%下がることがわかり、散歩や音楽を聞くより効果が高いと発表されています。
しかし、電子書籍を利用した場合、睡眠の質が下がり疲労につながることがわかっています。
原因は電子書籍を利用していると、「目が痛くなったり」「疲れたり」などなったりしませんか?
詳しい原因は『電子書籍で目が疲れるのは端末や姿勢の影響大!9つの対策・改善方法まとめ』に詳しく解説していますので、合わせてご覧下さい。
電子書籍と紙の本を勉強する際の使い分け
電子書籍と紙の本を利用する方は『読書を楽しむ』以外に『学ぶ』目的もあります。例えば、勉強する際に利用する参考書やビジネス書です。
勉強する際は多くのことを学んで、覚えなければいけません。
勉強は『環境』『時間』によっても効率が違い、
- 集中しやすい環境を作れるか
- 短時間で記憶を定着できるか
といった重要なポイントがあります。
ビジネスパーソンであれば、いかに短い時間で効率よく成果を上げるかは大切な観点です。
本と電子書籍を使い分けることで、学習効率を上げ、成果を早める工夫を2つ紹介します。
本全体を読み返すなら紙の本、特定のページを読み返すなら電子書籍
紙の本だと大切な部分に付箋をつけすぎてしまい、結局読みたいページを探すのに時間がかかってしまったという経験はありませんか?
電子書籍は、検索機能がついているサービスが多く、特定のページを探す効率に優れます。
人は集中できる時間が決まっていますので、読みたいページを探すのに時間を取られると、集中力が切れて学習効率が落ちるリスクがあります。
また、電子書籍であれば、特定のページをスクリーンショットしておくことで、見返す時間を短くできます。
このように、電子書籍は紙の本と比較して、短時間で目的のページにアクセスしやすい要素が揃っています。
本全体を読み返す場合に紙の本が良いのは、暗記の部分に関連するため、次の段落でご紹介します。
本全体を暗記するなら紙の本、部分的に暗記するなら電子書籍
本全てを暗記するなら紙の本、部分的に暗記するなら電子書籍を利用することで、効率の良い勉強ができます。
部分的な暗記については、電子書籍の方が先ほどお伝えした通り、時間の面でも効率が良いです。
一方で、本全体を覚える場合、長期記憶の面で紙の本の方が有利な研究結果が出ているため、紙の本の方がマッチしていると言えます。
背景には、しっかりページを読み終えてから紙をめくるという触覚の面が記憶の定着力を高めている可能性が示唆されているのです。
電子書籍と紙の本の場合、多くの研究発表では、紙の本が頭に入りやすいとの結果が出ているため、詳しく知りたい方は『電子書籍は記憶に残りにくい?頭に入らない理由を解説』も合わせてご覧下さい。
電子書籍と紙の本のジャンル別の使い分け
hontoの『紙の本と電子書籍の使い分け』の調査では、男性では15%、女性では8%が、漫画は電子書籍、ビジネス書は紙の本などジャンルで使い分けしている結果が出ています。
本には、漫画・雑誌・小説など多くのジャンルが存在しますが、ここまでご覧いただき「ジャンルによって電子書籍と紙の本どちらがいいか変わるのでは?」と感じているのではないでしょうか。
ここでは、ジャンル別の使い分けを解説していきます。
電子書籍は小説・雑誌・漫画がおすすめ
小説・雑誌・漫画は電子書籍がおすすめです。
理由としては、小説や漫画は1冊では終わらない本も多く、集める際には手間や場所が必要だからです。
電子書籍は、簡単に購入できる点と端末に大量に保管できる点が優れており、利点が多くおすすめです。
また、読み返すことが少ない雑誌は、処分に困らない電子書籍の利点が大きくなります。
紙の本は写真集・画集・ビジネス書・実用書がおすすめ
写真集と画集・ビジネス書・実用書は紙の本がおすすめです。
理由は、写真集と画集に関しては、端末によって色味が変わらないためです。
また、ビジネス書・実用書は、記憶の定着力が良い、紙の本を利用する方が効率が高まりやすいためです。
ただ、ビジネス書・実用書については、外出先で効率よく時間を使うために、電子書籍を利用するケースも考えられます。
そのため、シーンに応じて電子書籍と紙の本を使い分けるのが良いでしょう。
電子書籍、紙の本の持ち味を活かして使い分けましょう(まとめ)
様々なシーンに応じて、電子書籍と紙の本の使い分け方をお伝えしました。
紙の本と電子書籍を使い分けるなら、対象の紙の本を購入すると5年間同一タイトルの電子書籍が50%OFFで買えるhontoがおすすめです。
今でも、電子書籍と紙の本を比べて、「どちらがいいのか?」を意見する方はいます。
紙の本が好きな人や、電子書籍を利用する人は、否定されると嫌な気持ちになりますよね。好きなことを否定されたら、反論する気持ちもわかります。
お互いを否定するのではなく、良さを知れることが、それぞれの価値観を受け入れるきっかけになるのではないでしょうか?
電子書籍と紙の本を使い分けるとは、自分だけの利点ではなく、本そのものの価値を上げてくれます。
この記事を読んで、「どちらも素晴らしい」「使い分けよう」と感じて頂けたら、とても嬉しいです。
今後の皆さんの読書ライフを、心から応援しています。

公益社団法人全国出版協会の『2020年度本の売上』調査について https://shuppankagaku.com/wp/wp-content/uploads/2021/03/20210125.pdf
hontoの「紙の本と電子書籍の使い分け」の調査について https://honto.jp/article/multichannel.html
サセックス大学の2009年の研究結果について https://www.takingcharge.csh.umn.edu/reading-stress-relief