いよいよ本日5月18日(土)、19日(日)

「ザ・ブロードウェイ・ミュージカル・コンサート」開催!

リハーサルレポート到着!

2019.5.18更新

【N.Y.ブロードウェイの「今」を体感できる!】という謳い文句の通り、ミュージカルの本場・アメリカのミュージカルスターの歌声を思う存分堪能出来る『ザ・ブロードウェイ・ミュージカル・コンサート』が、ミュージカルファンの新たな「メッカ」となりつつある渋谷・東急シアターオーブで2019年5月18日と19日の2日間に渡って開催される。
海外で上演されるミュージカルにまで目を光らせ情報のチェックを怠らないディープなシアターフリークからミュージカルを観始めたばかりのビギナーまで、全てのミュージカルファンが満足出来るコンサートが誕生した。
玄人好みの出演者に加え、『レ・ミゼラブル』『オペラ座の怪人』『レント』といった映画化もされて親しまれている超名作から『ハミルトン』『ウェイトレス』といった日本未上陸の話題作までを網羅した珠玉のセットリストにより、最後に至るまで私たちミュージカルファンが心も身体も踊らせ続ける2時間を過ごすことが出来るコンサートとなっているからである。
通勤中のイヤホンやベッドの横に置いたスピーカーから聴こえてくるあのミュージカルナンバーたちが、本物の歌い手により目の前で歌われる現場に居合わせることが出来る。それが『ザ・ブロードウェイ・ミュージカル・コンサート』なのだ。

オープニングは大ヒット映画『ラ・ラ・ランド』のナンバーで幕を開ける。音楽監督ジョン・クォーク率いる豪華なバンドを従えて出演者4人が登場。のっけから息ぴったりのハーモニーを奏で、まさにブロードウェイの風が舞台から客席へと吹き込んでくる。
このコンサートのメインテーマである【ブロードウェイの「今」】。果たしてどこが「今」なのかと問われれば、なんといっても出演者の顔ぶれだろう。
とは言ってもシアターフリーク以外の日本のミュージカルファンにとって、海外のミュージカルスターはまだまだ馴染みが薄いと言われれば、それは否めない。
しかし、4人のこれまでの活躍ぶりを知ればこの出演者の顔ぶれがいかに豪華であるかはお分かりいただけるはずだ。
今回のメンバーの重鎮とも言えるノーム・ルイスは、これまでも何度か来日しており、優しい人柄と深く広がりのあるテノールの歌声に魅了された方も多いのではないだろうか?『レ・ミゼラブル』のジャベール役や『オペラ座の怪人』のタイトルロールなどを過去に演じ、「今」もブロードウェイミュージカルにおいて現役で活躍している実力派スターである。
ノームの持ち歌の中でも筆者のお気に入りは『ポーギーとベス』からのナンバー♪I Got Plenty O’ Nuttin’ くたびれもうけ 。スタンダードナンバーにもなっているガーシュウィンの名曲を、『ポーギーとベス』でトニー賞にもノミネートされているノームの歌声で美しく、そして茶目っ気たっぷりに今回のコンサートでも歌い上げてくれている。

セクシーでスタイリッシュなロングトーンを響かせてくれるのは急遽出演となったブランドン・ビクター・ディクソン。 2018年の『ジーザス・クライスト・スーパー・スター・ライブ・イン・コンサート』でのユダ役、今年1月のFOX版『RENT』のコリンズを演じた、まさに「今」が旬のスターである。彼の『JCS』ユダのナンバー♪Heaven on Their Mindsは、この5月から秋にかけて日本で上演される2つのプロダクション(劇団四季とシアターオーブミュージカルコンサートシリーズ)のどちらのユダとも違った魅力で私たちを虜にさせる。JCSファンは必聴の1シーンだ。

同じく『JCS』のナンバーを優しくカントリースタイルで、心に沁みる歌声を聴かせてくれたジェシー・ミューラーは、2017年の帝国劇場での上演(平原綾香と水樹奈々のWキャスト主演)が記憶に新しいキャロル・キングの半生を描いたミュージカル『ビューティフル』の主役・キャロル役のオリジナルキャストであり、そのキャロル役でトニー賞主演女優賞を受賞した大スターだ。今回のコンサートでは、なんと『ビューティフル』の重要なナンバーであり、且つキャロル・キングの代表曲でもあるあの2曲を披露してくれる。ブロードウェイ初演のオリジナルキャストによる歌声で『ビューティフル』のナンバーを聴けるチャンスを、ミュージカルファンならば逃す手はない。ろいろなことを吸収することに貪欲で、いま自分ができる最高のパフォーマンスをしようと、毎日、大きな変化を遂げています」と評した。

そして、ジェシーと『レント』の♪Take Me or Leave Meをデュエットするアレックス・ニューウェルは、ミュージカルファンにはお馴染みの海外ドラマ『Glee』のシーズン3から登場し、ジェンダーを超えた個性により強烈な印象を残したブロードウェイのニューフェイス。そんなアレックスはブロードウェイデビュー作である『アイランド』(2018年トニー賞リバイバルミュージカル部門作品賞受賞)からのナンバー♪Mama Will Provide南国情緒たっぷりの楽曲を披露してくれる。劇場全体が、アレックス演じる大地の母アサカの明るく大きな愛に包まれるこのナンバーは、本コンサートにおけるハイライトの一つだ。

ブロードウェイやウエストエンドで活躍するスターが来日し、コンサートを行うことが日常となった「今」、私を含め観客の期待は数年前よりも数段アップしている。
その期待を超えてくるこの『ブロードウェイ・ミュージカル・コンサート』はまさに「今」を超える魅力を持ち合わせたコンサートだ。
終演後、劇場を出るあなたは「今」よりも更にミュージカルの虜になってしまっていることだろう。
ブロードウェイの「今」、そしてこれから先のミュージカル界を盛り上げていくに違いないスター4名によるパワフルな歌声は、史上最長のゴールデンウィークを終えて6月のトニー賞授賞式までの間、ちょっと心に穴が開いてしまっている私たちミュージカルファンの心の隙間を満たし、明日への活力となってくれることは間違いない。
ミュージカルに少しでも心を奪われたことがあるあなたは、5/18・19 東京・渋谷の東急シアターオーブに足を運ぶことをおすすめする。

演劇ライター 渡辺 康平

「ザ・ブロードウェイ・ミュージカル・コンサート」
公式サイト  http://broadway2019.jp