電子書籍をPDFで読む方法としては、DRMフリー書籍(PDF書籍)がおすすめです。
現在、多くの方が利用している電子書籍ですが、他のストアや、デバイスに移せないなど制限が多い面に悩んでる方もいます。
他にも、電子書籍のストアが潰れた際は、ダウンロードした書籍を閲覧できない可能性があるなど様々な問題もあるのも事実です。
このようなデメリットをなくせるのが、PDF書籍です。
本記事では、電子書籍をPDFで読む方法、おすすめなDRMフリー書籍を紹介いたします。
電子書籍に利用制限がある理由
そもそも、なぜ電子書籍に利用制限があるのか、疑問に思っている方もいると思いますので、簡単に利用制限、デジタル著作権管理についてお伝えします。
DRMの制限が原因
多くの電子書籍にはDRM(デジタル著作権管理)が導入されています。
DRMとは、電子機器上のコンテンツを無制限に利用をさせないために、特定のアプリなどでしか再生できないようにした技術・管理方法になります。
要するに、違法コピーをさせないために開発された技術になります。
DRMを解除するやり方は存在しますが、規約違反になりアカウント停止やサービス利用停止のリスクがあり、おすすめできません。
DRMフリー書籍がある
DRMフリーで使用できる電子書籍はあります。
購入者本人が使用する範囲であればコピー制限なしや利用規約に違反することもないので、PDF化をすることができます。
また、直接PDFで購入できる電子書籍もあります。
DRMフリー書籍であれば、アプリやウェブを使わなくとも、ファイルを開くことによって、小説や参考書などを読めます。
電子書籍をPDFにするメリット・デメリット
電子書籍をアプリで読む場合とPDFで読む場合では違いがあります。アプリには使用制限が多いですが、PDFでは制限が少なくなります。
具体的に、PDFをどのようなメリットデメリットがあるのかお伝えしていきます。
ページ数がわかる
電子書籍ではページ数が表示されないものがあります。
『位置No.』や『%』といった内容で表示されており、現在位置は教えてくれますが『ページ』ではありません。
どこまで読んだのかを把握することが難しく、紙の本を読んでた人にはわかりにくくなっています。PDFであれば、現在のページ数が一目でわかります。
重要箇所だけをまとめることができる
アプリの場合だと重要な点を抜き出したり、まとめたりすることができません。
切り抜きやコピー機能がない分、勉強などで重要な所をまとめたいと思っても、位置を覚えることや別紙に記入することしかありません。
重要な所をPDFにすることで、自分に合った資料作りや勉強を行えます。
他の端末でも読むことができる
アプリをインストールすれば、通常の電子書籍も他の端末でも利用できます。しかし、古い機種などのインストールできないものでは使用できません。
一方、PDFであれば、古い機種や他の端末でも簡単に見れますし、サイトへのログインをする必要もありません。
つまり、利用できるデバイスが広がり、管理の手間が省けます。
データが共有できる
たとえば、家ではPCとタブレット、外出先ではスマホを使用して電子書籍を読みたい方にもPDFなら簡単にデータ共有ができます。
アプリをインストールしなくても、メールでのやり取りで共有できるのはPDFの魅力・メリットです。
そもそもPDFにできる電子書籍が少ない
電子書籍をPDFにすることはメリットが大きいですが、一方で、そもそもPDFとして読める電子書籍が少ないというデメリットがあります。
電子書籍の多くはDRMが導入されており、特に漫画などは解除しなければいけません。
解除自体は可能ですが、規約違反にあたってリスクがありますのでおすすめはしません。
外付けハードディスクなどデータを保存する場所が必要
電子書籍をPDFにするデメリットとして、データの保管場所が必要になる点があります。
電子書籍の多くはアプリやサーバーなどでデータ管理されています。
PDFにすると、書籍を保存する場所やデータ容量に応じたハードディスクが必要になります。
PDFファイルで電子書籍を読む方法
電子書籍をPDFで読みたい場合は色々なやり方があります。
もちろん、それには作業が必要になりますが、ここでは時間がない人におすすめなやり方と、PDFではないEPUBファイルをPDFに変換する方法を説明します。
PDFの電子書籍を購入する
一番簡単にPDFの電子書籍を読む方法は、購入することです。
DRMフリー書籍には最初からPDFで提供しているサービスもありますので、作業もいらず簡単にPDF書籍を得ることができます。
購入方法も簡単で、メールアドレスやパスワードなどの必要事項を登録するだけで購入できます。
他のケースでは、PDFでない電子書籍ファイルをPDFに変換する手間が発生しますが、購入ならそのような手間はありません。
パソコンで電子書籍をPDFする方法
電子書籍をパソコンでPDFにする作業は色々ありますが、特にソフトをインストールしなくてもPDFに変換できるやり方を紹介します。
オンラインでPDFを作成する場合は、アップロードできる容量は決まっていますが、ソフトをインストールする手間が発生しないメリットがあります。
PDF CandyでEPUBをPDFに変換する手順は以下の通りです。
- 公式サイトに移動し『EPUB PDF変換』のアイコンを選択
- 『ファイル追加』のボタンをクリックし、EPUBファイルがある場所を選択してアップロード
- アップロードが完了したら『PDFへ変換』のボタンをクリック
- 変換が開始するので完了まで待機する
PDF Candyは、無料で使えるオンラインPDF変換サイトです。登録不要で、PDF化したい電子書籍をアップロードするだけで作成できます。
iPadで電子書籍をPDFにする方法
iPadでもPDFに変換できます。特に全てのページを変換するのではなく、重要な所をまとめる際にPDF変換するのがおすすめです。
登録も必要ありませんし、サイトに飛ぶ必要ありませんので、安心して利用できます。
iPadで変換する場合は以下の手順で可能です。
- 電子書籍を選択してまとめたい部分をスクショする
- 写真アプリの中のスクショした画像を選択して、左上にある共有ボタンを押す
- 共有の一覧からプリントを選択する
- ポップアップが出てきたら、しばらく放置するとプリントプレビューが出る
- プリントレピュー画面を中から外に指でピンチアウトするとPDFになる
DRMフリーの書籍が買えるストアおすすめ5選
DRMフリーの書籍が買えるストアおすすめ5選をまとめて紹介します。
1.Manatee(マナティ)
IT書籍を専門に扱う電子書籍サイトです。ほとんどの電子書籍がPDFで販売しており、EPUBもあります。
どのリーダーでも読めるソーシャルDRMも扱っており、購入した書籍をダウンロードすれば半永久的に読めます。
購入した際はVポイントを貯めることもでき、書籍以外にも講座動画など、多数のコンテンツがあります。
50%OFFなどのキャンペーンも開催するので、はじめて利用する際などはキャンペーン時に購入するのがおすすめです。
公式サイト:https://book.mynavi.jp/manatee/
2.翔泳社 SEshop(ショウエイシャ)
翔泳社の運営する書籍ネットショップです。直販されている書籍に関しては全てPDFで購入できます。
プログラム系などの技術書やマーケティング関連書籍など様々な書籍を取り揃えています。
ポイントシステムもあり、初回登録で500ポイントもらえます。
毎月更新されるクーポンもありますので、はじめて利用される際はクーポンを利用するのがおすすめです。
公式サイト:https://www.seshop.com/
3.O’Reilly Japan Ebook Store(オライリージャパン)
オライリージャパンの電子書籍化は全てPDFがあります。
プログラマーたちに大人気なオライリーシリーズですが、日本語対応のKindle版はありません。
PDF以外にもEPUB・mobi形式もあるので、用途によって選ぶこともできます。
毎月キャンペーンも開催しており、Tシャツプレゼントや40%OFFなど月によって内容も変わってきますので、はじめての方はキャンペーン内容で購入してみてはいかがでしょうか。
公式サイト:https://www.oreilly.co.jp/index.shtml
4.旅する本棚(たびのたね)
「るるぶ」や「マニマニ」などのJTBパブリッシングが発行する旅行ガイドを主に扱っている電子書籍サイトです。
DRMは使用していませんが、EPUB形式しか取り扱いがなく、PDFに変換する必要があります。
「JTB会員」や「たびのび会員」にクーポンや特典がありますので、加入されている方は利用することをおすすめします。
公式サイト:https://books.jtbpublishing.co.jp/special/
5.達人出版会(タツジンシュッパンカイ)
『コンピュータ書』を主に取り扱っており、達人出版会の書籍以外にもマイナビ出版やオーム社、インプレス、カットプレス、アスキー・メディアワークスなど他社の書籍も扱っています。
PDFでの販売も行っていますが、EPUB形式もありますので利用に応じて購入しましょう。
クーポンなどはありませんが、種類は豊富にありますので、書籍の数を増やしたい方にはおすすめできるサイトです。
公式サイト:https://tatsu-zine.com/
紙の本をPDFにして電子書籍にする方法
これまで電子書籍をPDFにする方法・PDFで読む方法をお伝えしましたが、現在所有している紙の本をPDFにすることも可能です。
外出先で本を読みたい方や、本を整理したいけど捨てるのに抵抗がある方におすすめです。
PDF化に必要なもの
まずは紙の本をPDFにするために必要なものをまとめてお伝えします。
1.電子書籍にする本
電子書籍にしたい本を準備してください。ただし、裁断しますので元に戻すことは困難になります。あくまで電子書籍にして問題ない本を選びましょう。
2.スキャナー
裁断した本をスキャンするために必要なものです。
スキャナーは低額なものから高額なものまでありますが、画質や両面機能などにこだわらなければ、
- スキャンしたい所有のパソコンに対応できている
- 本のサイズに合っている
- PDFにできる
以上の3つを満たしていれば問題ありません。
3.裁断するためのカッター
裁断するために必要なカッターを準備してください。
普通のカッターでも問題ありませんが、おすすめは刃が丸い『ロータリーカッター』です。
4.カッターマット
カッターを使用しますので、地面などに傷を入れないために使用します。
カッターマット以外でもカットすることは可能ですが、紙がズレる場合もあるので、カッターマットの使用をおすすめします。
5.定規
紙をまっすぐに切るために必要なものになります。
6.手袋
刃物を使用しますので、安全対策として手袋を使用しましょう。おすすめはゴム手袋ですが、軍手でも問題ありません。
7.パソコン
スキャナーで読み込んだデータを取り込むのに必要です。
所有しているスキャナーがパソコンに対応しているかどうか、事前に調べることをおすすめします。
PDFにする流れ
紙の本をPDFにする際の具体的な流れをお伝えします。
1.本を裁断する
コツは2〜3枚ずつカットすることです。
多くの枚数をカットする場合、ズレる可能性があるので、少ない枚数でやることがおすすめです。
また、表紙から順番にカットすることによって、後で順番がわからなくなることの対策になりますので、ぜひ活用してみてください。
2.スキャナーで取り込む
基本、設定は触らなくて問題ありませんが、形式を変更する場所があるのでPDFに変更しておきましょう。
早く仕上げたい方は『解像度を下げる』『読み取りを両面』を選択すれば早く仕上がります。
3.パソコンでPDFデータを確認
読み込んだPDFを最後に確認すれば、電子書籍の完成です。
電子書籍をPDFで読む方法まとめ
電子書籍をPDFにすると、様々な利便性を得ることができ、効率の良い『読書』『勉強』が可能です。
電子書籍をPDFで読むためには、DRMフリーのPDF書籍を書う方法や、電子書籍のファイル形式を変更してPDFにする方法、紙の本をPDFにする方法があります。
一番手間がかからないのは、PDFファイルの書籍を買う方法ですが、対応している書籍が少ないのが現状であり、今後の選択肢増加に期待したいところです。
本記事が電子書籍をPDFで読む上でお役に立ちましたら幸いです。