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電子書籍のスクショはバレる?合法と違法になるケースの違いを解説

電子書籍のスクショはバレる?合法と違法になるケースの違いを解説

「電子書籍はスクショしたらバレるの?」と不安な方に向けて、電子書籍のスクショが合法になるケースと、違法になるケースをまとめました。

結論からお伝えすると、電子書籍はスクショしただけでは、違法にはなりません。

スクショを個人で鑑賞したり、家族や友人と共有したケースなどは合法です。

一方、違法になるのはスクショを営利目的で利用したり、ブログやSNSに投稿したケースです。

電子書籍のスクショを違法に利用した際のリスクも解説していますので、気になる方はぜひご覧ください。

電子書籍をスクショしても違法ではない

個人的に使用する場合、著作物の複製は認められているため、電子書籍のスクショ自体は違法ではありません。

著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。
出典:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048

しかし、電子書籍のスクショを営利目的などで利用した場合は、著作権侵害で違法になります。

電子書籍のスクショが合法になるケース

電子書籍のスクショが合法になるケースは、以下の通りです。

それぞれのケースを解説します。

個人で鑑賞する

スマホの待ち受けや壁紙にするなど、電子書籍のスクショを個人で鑑賞する場合は問題ありません。

著作権法第30条第1項では、以下の条件にあてはまる場合は、「私的使用のための複製」として、作詞者、作曲者等著作権者の許諾を得ることなく音楽などの著作物を複製できることが定められています。
(1) 個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内で使用することを目的とした複製であること
(2) 使用する本人が複製すること
出典:https://www.jasrac.or.jp/info/create/copyright.html

電子書籍のお気に入りのページを保存したい方は、スクショを活用してみてください。

家族や友人と共有する

家族や友人の間で電子書籍のスクショを共有するのも許可されています。

自分自身や家族、ごく親しい少人数の友人など限られた範囲内で使用することを目的とする場合、著作物を許可なく複製することができる。
出典:https://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime7.html

しかし、共有した相手が電子書籍のスクショをインターネット上に公開した場合は、違法になる可能性があります。

引用で使用する

著作権法では、電子書籍のスクショの引用が認められています。

公表された著作物は、引用して利用することができる。
出典:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048

しかし、電子書籍のスクショを引用で使うには、下記の条件を満たす必要があります。

電子書籍のスクショを引用で使う条件
  • 他者の著作物を引用する必然性がある
  • ご自身の著作物と引用部分とが区別されている
  • ご自身の著作物と引用する著作物との主従関係が明確である
  • 引用する著作物は公表されている物である
  • 引用部分を改変、編集していない
  • 出所の明示がなされている

引用は無条件の転載を許可するものではないため、条件を満たしていない場合は違法になります。

違法なスクショでも例外で許される

違法なスクショと判断される場合でも、例外で許されるケースはあります。

例外で許される場合具体例
複製部分が占める割合が全体的にわずかである記事全体に対して数行であり、漫画の数コマをスクショで用いている
表示の精度が軽微であるスクショの画質が悪く、見づらい
著作権者の利益を不当に害しないと認められる特別な事情がある違法電子書籍サイトの注意喚起のためにスクショを使う

実際に合法になるかどうかは各ケースで異なるため、注意が必要です。

電子書籍のスクショが違法になるケース

電子書籍のスクショが違法になるケースは、以下の通りです。

それぞれのケースを解説します。

営利目的で利用する

アフィリエイトで広告収入を得る、画像を商品にするといった目的で電子書籍のスクショを利用すると、著作権侵害で違法になります。

公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。
出典:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048

著作権法違反の中でも、営利利用は特に訴訟例が多いため、軽い気持ちで利用してはいけません。

ブログやSNSに投稿する

著作者以外の方が電子書籍のスクショをブログやSNSなどに投稿するのは公衆送信権の侵害であり、違法です。

著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
2 著作者は、公衆送信されるその著作物を受信装置を用いて公に伝達する権利を専有する。
出典:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048

現状は違反者が多く、大半は放置されていますが、取り締まりが強化されれば著作者や出版社から訴えられるリスクがあります。

画像をアイコンにする

アイコン用に著作物を切り取ることは、著作権だけではなく同一性保持権の侵害にもなるため、単純に画像をインターネット上に投稿するよりも重罪になります。

著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。
出典:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC0000000048

同一性保持権の侵害は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。

電子書籍のスクショ画像は、絶対にアイコンにしてはいけません。

スクショを共有した家族や友人が画像を拡散する

電子書籍のスクショを共有した家族や友人がスクショ画像を拡散するのも公衆送信権の侵害で違法になり、画像を提供した方も罪に問われる恐れがあります。

電子書籍のスクショを共有する際は、信頼できる相手に限定してください。

海賊版サイトのコンテンツをスクショする

2021年1月に著作権法が改正され、海賊版サイトのコンテンツをスクショするのは違法になりました。

個人的な利用でのコピーは侵害にはなりませんが、無許可の配信サイトなどからダウンロードすれば、個人的な利用であっても民事・刑事罰の対象になります。
安易な利用は、広告収入で犯罪者を助けることに。
著作物を楽しむなら安全な正規版を!
出典:https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/trouble/case/case08_more.html

スクショを拡散した場合、拡散した方だけではなく、スクショを掲載したWebサイトやSNSの管理者まで刑罰を負う可能性があります。

スクショした電子書籍を違法に利用した際のリスク

スクショした電子書籍を違法に利用した際のリスクは、以下の通りです。

スクショした電子書籍を違法に利用した際のリスク
  • 電子書籍サービスの利用停止、アカウントの凍結
  • 訴訟、損害賠償
  • 懲役、罰金

それぞれのリスクを解説します。

電子書籍サービスの利用停止、アカウントの凍結

多くの電子書籍サービスでは、個人的な使用以外の目的で電子書籍をスクショすることを禁止しています。

そのため、電子書籍のスクショの不正利用がサービスの運営会社にバレると、電子書籍サービスを利用できなくなる、またはアカウントが凍結される恐れがあります。

訴訟、損害賠償

著作者や出版社から著作権侵害で訴えられたら、損害賠償を請求される危険性があります。

裁判は時間やお金を浪費するため、電子書籍のスクショを利用する際は、著作権を守るよう注意してください。

懲役、罰金

著作権侵害は10年以下の懲役、または1,000万円以下の罰金と定められています。

企業を含む法人による侵害の場合は3億円以下の罰金となり、罰則が重くなります。

電子書籍のスクショに関するよくある質問や疑問

電子書籍のスクショに関するよくある質問や疑問を、Q&A形式でお答えしていきます。

Kindleのスクショは違反ですか?

Kindleは合法サイトなので、電子書籍のスクショを撮るのは違反ではありません。

ただし、撮ったスクショをSNSに上げるなどの行為は、違法です。

図書館の電子書籍はスクショできますか?

利用規約上、図書館の電子書籍をスクショすることはできません。

また著作権上、図書館の電子書籍のスクショをインターネット上に公開することもできません。

電子書籍のスクショがバレると、電子書籍サービス事業者と図書館のサービス契約が解除され、すべての図書館利用者の方が電子書籍を読めなくなる可能性があります。

電子書籍をコピーして配布するのは違法ですか?

著作権者の許可なく、電子書籍をコピーして第三者へ配布するのは違法です。

ただし、個人的に使用する場合や許可をもらっている場合は、電子書籍のコピーを配布しても問題ありません。

海賊版の電子書籍のダウンロードは違法ですか?

海賊版と分かっていながら、電子書籍をダウンロードする行為は違法です。

2021年1月の著作権法の改正によって、電子書籍や漫画を含むすべての著作物まで、ダウンロードによる刑罰の範囲が広がりました。

電子書籍のスクショは用途によって合法、違法に分かれるので注意が必要(まとめ)

電子書籍はスクショしただけではバレても違法になりませんが、利用する用途によって合法、違法に分かれるため、注意が必要です。

電子書籍のスクショを個人で鑑賞したり、家族や友人と共有するなどの私的に楽しむ場合は問題ありません。

一方、営利目的やSNSに投稿するなどの目的で、電子書籍のスクショをインターネット上に公開する場合は違法です。

電子書籍のスクショを違法に利用すると、賠償金を支払う、懲役や罰金を負うといったリスクがあるため、絶対にしてはいけません。

ルールを守り、正しく電子書籍を楽しんでみてください。

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