「電子書籍を使いたいけど、高いから敬遠してる」という方に向けて、電子書籍が高いと言われる4つの理由と、高いと感じる3つの理由をまとめました。
また、あわせて電子書籍を安く読む6つの方法をお伝えします。
「電子書籍は高い」と感じるのは、電子なのに紙の値段とあまり変わらないため、コスト面の影響が大きいと考えられます。
しかし、電子書籍は紙の本よりお得に読める手段が多くあります。
この記事を読むだけで、電子書籍は高いというイメージを払拭し、安く電子書籍を購入する方法を知ることができます。
電子書籍の利用を検討している方はぜひご覧ください。
紙媒体と電子書籍の料金を比較すると電子書籍の方が若干安い
紙媒体と電子書籍の販売価格を比較した結果は、以下の通りです。
作品名 | 紙媒体価格(税込) | 電子書籍価格(税込) |
漫画『呪術廻戦』 | 484円 | 460円 |
ライトノベル『転生したらスライムだった件』 | 1,100円 | 990円 |
小説『夜に星を放つ』 | 1,540円 | 1,500円 |
ビジネス書『もしアドラーが上司だったら』 | 1,320円 | 660円 |
※公平性を保つため、Amazonの販売価格を参照しています。
紙媒体よりも高いイメージがある電子書籍ですが、販売価格は一般的には電子書籍の方が数十円〜数百円安いケースが多いのが実情です。(もちろん、電子書籍の方が高く販売されているケースもゼロではありません。)
電子書籍が高いと言われている理由
電子書籍が高いと言われている理由は以下の4つです。
それぞれの理由を具体的にお伝えします。
紙媒体をデータ化するために費用がかかるから
電子書籍が高いと言われている理由として、紙媒体をデータ化するための依頼費用が発生する点が挙げられます。
例えば、電子書籍化サービス『BOOKSCAN』の場合、350ページ以内の紙媒体をデータ化するための依頼費用は、1冊110円(税込)〜です。(出版社向けの場合は、1冊3,000円〜)
BOOKSCAN以外にも、電子書籍化サービスは複数あり、納期、スキャン方法、OCR(光学的文字認識)などによって費用が変動します。
印刷費用が掛からない代わりにデータ化するための費用が掛かるため、電子書籍は高いというイメージがついてしまったものと考えられます。
手数料や人件費にコストが発生するから
電子書籍が高いと言われている理由として、手数料や人件費が発生する点が挙げられます。
- (Amazonなど)通販サイトに掲載するための手数料
- 購入時に発生する手数料
- 電子書籍にするための工程で発生する人件費
紙媒体は印刷などの物理面でコストが掛かりますが、電子書籍では流通面でコストが掛かります。
書店で購入する書籍であれば掛からないコストのため、電子書籍は高いと言われるイメージがついてしまったと考えられます。
電子書籍の普及率が低く固定費が高くなるから
電子書籍が高いと言われている理由として、普及率が低いため固定費が高くなる点が挙げられます。
電子書籍サービスには本を読むためのアプリや、本を管理するための本棚アプリがあります。
アプリを維持するための人件費やサーバー費用などは、売り上げに関係なく発生するため、電子書籍を安くすると赤字になるリスクがあります。
公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の発表によると、2021年の電子書籍の市場規模は紙媒体が72.2%であるのに対して、27.8%と4分の1強であることが分かっています。
このデータから日本国内の電子書籍の市場規模はまだ発展途上であり、市場規模が拡大し固定費の割合が下がらないと、価格を下げることは困難と考えられます。
日本よりも電子書籍が普及している英語圏では新書でも数百円で購入できるなど、紙媒体より安い価格で販売されています。
紙媒体を販売している書店に配慮しているから
電子書籍が高いと言われている理由として、日本の書店が潰れないように配慮している点が挙げられます。
電子書籍はデータ化や固定費などの費用が掛かるものの、印刷費用などの紙媒体であれば当然掛かる費用が掛からないメリットもあります。
そのため、工夫次第では紙媒体よりも安価な価格設定にすることは可能です。
ただ、書店で販売されている紙媒体の価格と電子書籍の価格の差が大きくなると、書店で購入する消費者が激減することが予想されます。
実際に大手の書店でも閉業が続いているため、電子書籍は紙媒体を基準に価格設定をし、書店を存続させるためバランスをとっていると考えられます。
電子書籍はなぜ高いと感じるのか
電子書籍が高いと感じる理由は以下の3つです。
それぞれの理由を具体的にお伝えします。
データなのに紙媒体と同じ価格帯で販売されているから
電子書籍は購入してもデータが閲覧できるようになるだけなので、紙媒体のように実物が届くことはありません。
そのため、直接触ることのできる『紙媒体』と、目に見えないデータを閲覧できる『電子書籍』が同じ価格であることに疑問を抱く方が多いようです。
紙媒体と比較して、電子書籍は保有しているという満足感を得ることが難しいという心理的な理由から、電子書籍は高いと感じやすくなります。
電子書籍には『古本(中古)』という概念がないから
電子書籍のデータは、時間が経って劣化することがないため『古本』という概念がありません。
紙媒体であれば、新刊であっても古本屋に行けば定価の半額ほどで購入できたり、劣化した旧作を100円ほどの価格で購入できたりします。
そのため、古本屋を頻繁に利用している方が電子書籍を利用すると、古本価格が存在せず高く感じることがあるようです。
しかし、電子書籍には『セール』や『ポイント還元』、『割引クーポン』などがあるため、上手に利用すれば定価以下で購入できます。
電子書籍専用のデバイスが必要だと思われているから
購入した電子書籍は、スマホやPCから読むことができます。
しかし、専用端末を購入しなければ利用できないと思っている方が多いことから、電子書籍が高いイメージが先行している傾向があるようです。
Kindleなど電子書籍を読むための専用端末は、ブルーライトカット機能が利用できたり、紙媒体に近い感覚で読書を楽しめるメリットがあります。
デメリットとしては、専用端末の本体価格が10,000円〜50,000円と高額な点です。
紙媒体に慣れている方にとっては、ハードルが高く感じるかもしれません。
専用端末がなくても購入した電子書籍は読めるため、持っているデバイスで電子書籍の相性を試してから、専用端末の購入を検討すると良いでしょう。
紙媒体と電子書籍はどちらの方が良いのか
紙媒体と電子書籍には、それぞれメリットとデメリットがあるため、ご自身の読書スタイルに合わせて使いやすい方を選択してください。
ここでは、紙媒体がおすすめな方と電子書籍がおすすめな方を特徴別に分けて説明していきます。
紙媒体がおすすめな方の特徴
紙媒体がおすすめな方の特徴は以下のとおりです。
- 重さ・手触り・匂い・ページをめくる時の音などを楽しみたい
- パラパラ読みをしたい
- 本の内容を暗記したい
実際に手に取って読書を楽しみたかったり、購入した本をコレクションしたい方であれば、実物として手元に残せる紙媒体がおすすめです。
電子書籍でも目次から特定ページに飛ぶことはできますが、紙媒体は前後をパラパラとめくって比較したり繰り返し読んだりできるため利便性が高い特徴があります。
また、電子書籍よりも紙媒体の方が記憶に残りやすいとのデータがあります。
学習目的や暗記目的で利用したい方であれば、紙媒体がおすすめです。
電子書籍がおすすめな方の特徴
電子書籍がおすすめな方の特徴は以下のとおりです。
- 新刊発売日にオンラインで購入したい
- その時の気分で好きなものを読みたい
- 部分的な復習をしたい
電子書籍の最大の強みとして、書店に行かず読みたい本を購入できる点が挙げられるため、忙しい方でも新刊や興味のある本をその場で購入して読むことができます。
また、購入した電子書籍は専用端末やスマホ、タブレット、PCなどに保存されるため、いつでもどこでも読みたい本をすぐに読めるのが特徴です。
電子書籍は紙媒体と比較するとコンパクトで軽量なため、手軽に持ち運べる利便性の高さもあります。
さらに、電子書籍には『しおり』や『マーカー』、『本棚』などの機能が搭載されていることが多いため、重要な箇所を読み直したい方にもおすすめです。
電子書籍を安く読む方法を6つ紹介
電子書籍を安く読む方法は以下の6つです。
それぞれの方法を具体的にお伝えします。
割引クーポンを発行している電子書籍サービスを利用する
電子書籍サービスでは、定期的に発行される割引クーポンを使うことで、定価より安く電子書籍を読むことができます。
『初回特典』を充実させている電子書籍サービスもたくさんあるため、今まで利用したことがない電子書籍サービスがあれば要チェックです。
ポイント還元を利用する
ポイント還元率の高い電子書籍サービスを利用して電子書籍を購入すれば、定価より安く電子書籍を読むことができます。
通常1%〜5%ほどの還元率ですが、還元率が10%〜50%になるキャンペーンが実施されることもあるため、各サービスの公式サイトを確認してみましょう。
ebookjapanはPayPayでの還元施策が豊富で、平時でも10%台の還元率を目指せたり、PayPay祭りの際には還元率が50%まで上がるためおすすめです。
電子書籍のセールやキャンペーンの時期にまとめ買いする
電子書籍サービスは定期的に『セール』や『キャンペーン』を実施していますが、年に数回『特大セール』を実施することがあります。
期間中は対象の商品が半額になったり、非常に安価に購入できたりするため、普段よりもお得に電子書籍を購入できる点が魅力です。
少しでも電子書籍を安く購入したいのであれば、特大セールの時にまとめ買いをするのがおすすめです。
無料配信をしている電子書籍サービスをフル活用する
電子書籍サービスは、漫画で『1巻無料』、ビジネス書や小説で『無料試し読み』など、作品の一部を無料配信しています。
お金を掛けずに電子書籍を読みたい方に最適です。
ただし、全話無料配信している作品はほぼないため、無料配信話の続きを読むには基本的に課金する必要があります。
無料配信を上手に活用することで、ミスマッチを防ぐことができるため、結果として無駄な出費をなくし節約につながります。
複数の電子書籍サイトを利用する
電子書籍サービスは、各社ごとに異なるお得な情報を提供しています。
1社に絞らず複数の電子書籍サービスを利用することで、電子書籍を安く読むことができます。
- A社…対象漫画が30話まで無料
- B社…ビジネス書のポイント還元率40%
- C社…小説の特大セール
上記のように各社は期間限定でお得なキャンペーンを実施しているため、電子書籍を少しでも安く読みたい方は、使い分けることがおすすめです。
お得なキャンペーン情報を漏らさないために、各社のメルマガなどを登録しておくと良いでしょう。
電子書籍のサブスク(読み放題)を利用する
電子書籍サービスの中にはサブスク(読み放題)を提供しているものもあるため、読めば読むほどお得に利用できます。
都度購入は読みたい本を毎回購入することになりますが、サブスクは月額料金を支払うことで、対象の書籍がすべて読み放題となります。
電子書籍のサブスクは、月に数冊以上読めば元が取れるため、頻繁に書籍を読む方に最適です。
あなたに合った電子書籍サブスクが知りたい方はこちらもご活用ください。
電子書籍が高いと感じる方におすすめのお得な割引・還元があるストア7選
電子書籍ストアの中でも割引・還元施策が豊富なサービスを表にまとめました。
電子書籍ストア | 主なクーポン・還元施策 |
コミックシーモア |
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ebookjapan |
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まんが王国 |
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Amebaマンガ |
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dブック |
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DMMブックス |
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楽天Kobo |
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それぞれのサービスについて解説します。
コミックシーモアはクーポンの配布が多く総合力が高い
- 月額メニュー登録で最大20,000ポイントまで後日全額還元
- 登録時に70%OFFクーポンがもらえる
- セールやキャンペーンが豊富
- クーポンの配布が多い
- 本棚機能や作品検索機能が充実していて使いやすい
コミックシーモアは、2004年からNTTソルマーレが運営する老舗電子書籍ストアです。
初回の月額メニュー登録で、最大20,000ポイントまで全額(100%)ポイント還元してくれます。
さらに、登録するだけで70%OFFクーポンがもらえるところもお得です。
漫画を中心に129万冊以上の品揃えがあり、セールやクーポンが多い、本棚アプリが使いやすい、作品を探しやすいなど総合力が高いおすすめのストアです。
公式サイト:https://www.cmoa.jp/
ebookjapanは初回半額クーポンが6回も使える
- 登録時、70%OFFクーポンが6回分もらえる(1回あたり最大500円まで)
- 水曜日は1巻目割引キャンペーンあり
- ソフトバンク・ワイモバイルユーザーへの還元施策が豊富
- PayPayユーザーへの還元施策が豊富
ebookjapanは、漫画の背表紙管理ができる唯一のストアで、曜日ごとにキャンペーンを開催しているのが特徴です。
特に週末に行われるキャンペーンでは、ソフトバンク・ワイモバイルユーザー、PayPayユーザーへの還元が豊富で、最大50%も還元を受けられます。
PayPay祭りでの恩恵を最も受けられる電子書籍ストアなので、PayPayユーザーであれば、登録しておいて損はないストアです。
公式サイト:https://ebookjapan.yahoo.co.jp/
まんが王国はポイント還元率が最大級!最大50%還元も可能
- 常時最大50%の還元率
- キャンペーン時は最大80%まで還元率が上昇することも
まんが王国は、名前の通り漫画専門の電子書籍ストアで、ポイント還元率が電子書籍ストアの中でも最大級で常時最大で50%の還元率なのが魅力的です。
月額コースやポイントの購入で、還元が受けられる仕組みで、購入時は最大30%還元、使用時に最大20%還元で合わせて最大50%です。
また、キャンペーン時は最大80%まで還元率が上昇することもあります。
公式サイト:https://comic.k-manga.jp/
Amebaマンガは100冊まで50%即時還元あり
- 会員登録で100冊まで50%即時還元
- 後発のため比較的還元施策が強力
Amebaマンガは、100冊まで50%即時還元という強力なセールを行っているのが特徴です。
後発の電子書籍ストアであるため、ユーザーを増やすために強力な還元施策を行うことがあります。
お得に漫画を全巻集めたい方は、おさえておきたいストアの1つです。
公式サイト:https://dokusho-ojikan.jp/
dブックはdポイントの還元施策が豊富
- 初回登録で50%OFFクーポンがもらえる
- 毎月10日・20日・30日はdポイント付与が20倍
dブックは会員登録時に50%OFFクーポンをもらえます。
購入金額から50%のクーポンですが上限が500円のため、実際は1,000円分までが50%OFFでそれ以上は還元率が下がるために注意が必要です。
他にも、毎月10日・20日・30日はポイント20倍など、還元率が20%上がるキャンペーンを定期的に実施しています。
dポイントが貯まる他のサービスを利用している方は、メリットが大きいのでおすすめの電子書籍ストアです。
公式サイト:https://books.dmkt-sp.jp/
DMMブックスは稀に大規模割引や還元あり
- 新規登録で70%OFFクーポン
- 過去に100冊まで70%OFFセールを開催
- 金曜日は30%還元などのセールあり
DMMブックスは、過去に100冊まで70%OFFという驚愕のセールを開催した実績があります。
ただ、60億円の赤字を出しているため、再度同じセールを行うのは難しいと考えられます。
一方で、後発ストアなのでユーザーを増やすために、50%OFFなどの大規模なセールを今後行う可能性はあると考えられます。
漫画だけではなく、ビジネス書や技術書を安く買えるチャンスがあるため、チェックしておきたい電子書籍ストアの1つです。
公式サイト:https://book.dmm.com/
楽天Koboは楽天ポイントの還元が魅力
- エントリーでポイント70倍のクーポンあり
- 楽天ポイントで漫画以外でも安く購入可能
- キャンペーン時に20%OFFクーポン配布
楽天Koboは、楽天グループ株式会社が運営する電子書籍ストアです。
新規会員後エントリーで2,000円相当までポイント70倍で還元してくれるクーポンを配布してくれるのが特徴です。
それ以外にも、セールコーナーでは50%以上OFFの商品もあります。
楽天市場など楽天関連サービスを他にも利用している場合、受ける恩恵が大きくなる電子書籍ストアです。
公式サイト:https://books.rakuten.co.jp/e-book/
電子書籍は実はそれほど高くない(まとめ)
電子書籍は紙媒体よりも数十円〜数百円ほど安く販売されているにも関わらず高いと言われているのは、コストが掛かることで感じてしまうイメージです。
紙媒体のように手元に実物が残らないため、読み終わった後に古本屋に売りに行くようなことはできませんが、上手に利用すれば紙媒体より安く購入することもできます。
特に、毎月多くの本を読む方であればサブスク(読み放題)を利用すると、よりお得に作品が楽しめるでしょう。
ぜひ、ご自身に合った電子書籍サービスを探してみてください。